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自治体や官公庁において、情報システムの強靭化と職員の多様な働き方の両立が求められています。総務省のモデルに対応したセキュリティ強化やテレワーク対応を実現するには、認証基盤の見直しが欠かせません。本記事では、多要素認証(MFA)、統合ID、SSOといった統合認証システムの具体的な導入事例を紹介します。
自治体や官公庁において、なぜ統合認証システムが求められているのでしょうか。主な理由として、セキュリティ基準への対応と働き方の変化が挙げられます。
総務省の「自治体情報システム強靱性向上モデル」により、マイナンバー利用事務系端末などへの多要素認証の導入が求められています。厳格な情報セキュリティ基準を満たし、個人情報をはじめとする機密データを守るためには、確実な本人確認を担保する統合認証システムによるセキュリティ強化が不可欠です。
セキュリティを確保しつつ、テレワークや分散勤務などの多様な働き方を推進することも重要な課題です。緊急時にも庁外から安全にシステムへアクセスできる環境づくりが求められます。堅牢なセキュリティを保ちながら、煩雑なログイン手順を省き利便性を向上させるには、柔軟な統合認証基盤の整備が欠かせません。
多要素認証(MFA)を導入して、セキュリティと業務効率化を両立させた自治体の事例を紹介します。
高知市では、PCログオン時の多要素認証に顔認証技術とパスワードを採用しました。以前の認証方式で発生していた待ち時間を解消し、一瞬でログオンが可能となり業務効率が大きく向上しました。マスク着用時や横を向いた状態でも高精度に認証できるため、窓口業務を担当する職員の利便性も高まっています。
富士市は、強靱化モデルに先駆けてPCログオン時の二要素認証に複合機用のICカードを活用しました。配付済みのカードを利用することでベンダーロックインを防ぎつつ、確実な多要素認証を実現しています。さらに、この仕組みによりセキュリティレベルを維持したまま、緊急時の安全なテレワーク環境の整備も達成しました。
複数のシステムを横断してIDを管理する、統合ID管理の導入事例を紹介します。
高知県庁は、職員のマイナンバーカードを「職員認証プラットフォーム」として活用しています。このプラットフォームを庁内の全システムにおける認証基盤と位置づけ、認証印刷、入退庁管理、鍵管理などを一元的に連携させています。既存の仕組みの活用により、安全かつ効率的な職員認証と行政資産の保護を実現しました。
長野県では、人事・給与システムや総務事務システムなど多岐にわたるシステムのID情報を一元管理する仕組みを導入しました。これにより、システムごとに異なっていたID管理の運用負荷が大幅に軽減されています。夜間の自動連携や年度末の大規模な人事異動に伴う処理も効率化され、運用体制が大きく改善されました。
シングルサインオン(SSO)を導入し、業務効率を向上させた事例を紹介します。
所沢市では、ネットワーク分離環境下でのインターネット系とLGWAN系のファイル受け渡しにおいて、複数回のログインが必要となる煩雑な作業が課題でした。そこでSSOを導入し、多重ログインの手間を省くことに成功しました。結果として職員のログイン負荷が大幅に軽減され、日々の業務効率が向上しています。
本記事では、多要素認証(MFA)、統合ID管理、SSOに関する各自治体(高知市、富士市、高知県庁、長野県、所沢市)の具体的な導入事例を紹介しました。セキュリティの強靭化と多様な働き方を両立するためには、自庁の課題に合わせた認証基盤の構築が必要です。紹介した事例を参考に、最適な統合認証システムの導入を検討してみてください。
アカウントと生産性を守る
Withコロナ時代の
情報セキュリティ必須概念
クラウドサービスの普及やワークスタイルの変化によって、これからの情報セキュリティはシステマチックな運用が求められます。
アカウントのセキュリティを高めながら、運用者と利用者双方の利便性を高めるためには「統合認証基盤(統合認証システム)」の概念を理解しておかなければなりません。