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多要素認証(二段階認証・二要素認証)システム・ソリューション

公開日:|更新日:

こちらのページでは、クラウドサービスやシステムへのログイン時などに、2つ以上の要素を用いて認証を行う多要素認証(MFA)を実現する製品やサービスを紹介しています。それぞれの特徴や注目したいポイントをまとめていますので、自社のニーズに合った、導入するべきシステムを検討する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

【マンガで徹底解説】
多要素認証システムの選び方
オンプレミス型にするべき
企業って?

多要素認証製品おすすめ3選

自社に最適な
機能を選びたい
IP3-ACE(AuthWay)
ここがポイント
  • 社内導入済みのシステムとの連携も可能。
  • 無制限ライセンスならユーザー数が増えても追加コスト不要。
主な機能の特徴
  • エージェントレス…特別なソフト不要の簡単導入
  • トークンレスOTP…メールやWebでワンタイムパス受取可
  • セルフメンテナンス機能…WDを忘れても管理者なしで復旧可
IP3-ACE(AuthWay)_HPキャプチャ

引用元:アイピーキューブ
https://ip3.co.jp/solution/authway/

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実績・知名度のある
製品を選びたい
IceWall
ここがポイント
  • 5000万ライセンス導入の実績(※)。
  • 日本ヒューレット・パッカードが開発・提供。
主な機能の特徴
  • パスキー(FIDO2)対応…生体認証によるログイン
  • クラウド認証連携…1回の認証で複数のシステムにアクセス可
  • リスクベース認証…不審なアクセスを自動ブロック
IceWall_HPキャプチャ

引用元:Hewlett Packard Enterprise
https://www.hpe.com/jp/ja/software/icewall.html

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後々追加で
拡張していきたい
TrustBind
ここがポイント
  • 電子証明書管理やシステム監視ソリューションとの連携も可能。
  • 分散型ネットワークの特性を活かし、システム負荷を分散。
主な機能の特徴
  • 認証強度調整…社外アクセスは強固な認証に自動切り替え。
  • API連携で独自認証追加…必要な認証方式を自由に組み合わせ可
  • ワンタイムパスワード対応…パスワード漏えいリスクを低減
TrustBind_HPキャプチャ

引用元:NTTテクノクロス
https://www.ntt-tx.co.jp/products/trustbind/

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※参照元:日本ヒューレット・パッカード公式HP( https://www.hpe.com/jp/ja/software/icewall/workstyle-icewall.html)販売開始10年間の累積数 2025年5月23日時点から

多要素認証製品の詳細

※2022年9月の調査時点の情報

IP3-ACE(AuthWay)

自社に最適な機能を選びたい企業向け
IP3-ACE(AuthWay)_HPキャプチャ

引用元:アイピーキューブ
https://ip3.co.jp/solution/authway/

IP3-ACE(AuthWay)の特徴

IP3-ACEの多要素認証製品「AuthWay」は、広く利用されている標準プロトコル(LDAP/RADIUS)でWebアプリやVPNシステムと連携し、多要素認証機能を提供します。それぞれの企業ニーズに合わせて、ワンタイムパスワードによる二要素認証・二段階認証、スマートデバイスを利用した二経路認証、生体認証に対応できるFIDO認証など多様な認証方式を選択でき、無制限ユーザライセンスもあるため、ユーザ数が多くなるほどコストパフォーマンス良く安価に導入できます。

IP3-ACEのSSO製品「CloudLink」やID管理製品「EntryMaster」と組み合わせることで、統一された運用・管理ができる統合認証システムへの拡張も可能です。

おすすめポイント
ポイント1

標準プロトコル(LDAP/RADIUS)による連携が可能なため、アプリやVPNシステムの多要素認証対応にもおすすめ

ポイント2

それぞれの企業のニーズに合わせて、様々な認証方式を選択可能

ポイント3

SSOシステムや統合ID管理システムも含めた統合認証システムへの拡張も可能。全て自社製品なので、カスタマイズ性にも優れ、統一された運用・管理が可能

IP3-ACE(AuthWay)の導入事例

学校法人近畿大学

約 4.5 万人の学生・教職員向け共通認証システムに CloudLink を導入。既存 2 段階認証に FIDO パスワードレスを追加し、学内外システムへの利便性とセキュリティを同時に強化。

富士通 「V-DaaS」

仮想デスクトップサービスのVPN接続にOTPを追加し、官公庁・金融にも耐えるセキュリティを実現。オプション化で競争力も強化。

太陽インキ製造

ICカードOTP+WindowsログオンでISMS取得を支援。CloudLink・LDAP Managerと統合し、社内外SSOとID統合まで一括導入。

IP3-ACE(AuthWay)の主な機能

OATH準拠ワンタイムパスワード

時刻同期方式のOTPを採用し、ハード/ソフト/カード型など多様なOATH互換トークンに対応。強力な二要素認証を低コストで導入できます。

トークンレスOTP(メール/Web配信)

専用トークンを持たずにメールや専用WebからOTPを取得。紛失・持ち忘れリスクを解消し、緊急時のバックアップ手段としても有効です。

二段階認証

既存ID+パスワードの後段にOTPを追加。単一認証突破を防ぎ、攻撃リスクを大幅に低減しながら既存システムをそのまま活用できます。

二経路認証/スマートデバイス連携

スマホアプリでプッシュ承認・指紋・顔認証など多彩な手段を組み合わせ可能。場所を問わず安全にログインでき、利便性も確保します。

エージェントレス連携と運用負荷軽減

LDAP・RADIUS対応でVPNやOSログオンを改修なしに多要素化。セルフPINリセットやロック自動解除でヘルプデスク作業も削減します。

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IceWall

実績・知名度のある製品で選びたい企業向け
IceWall_HPキャプチャ

引用元:Hewlett Packard Enterprise
https://www.hpe.com/jp/ja/software/icewall.html

IceWallの特徴

IceWall MFAはヒューレッド・パッカードによって開発・提供が行われている多要素認証基盤です。現在使用しているアプリケーションや連携先のクラウドサービスの改修を行わずに、認証の強化が行える点が大きな特徴。また、さまざまな認証方式をサポートできる点や、各アプリの認証要件に応じて「通常パスワード+ワンタイムパスワード」や「通常パスワード+FIDO準拠の認証デバイス」といったように複数の認証方式を選択することができ、柔軟な運用を可能にします。

おすすめポイント
ポイント1

SSO製品として認知度の高いIceWallシリーズ

ポイント2

Webアプリケーションや連携先のクラウドサービスの改修を行わずに多要素認証による認証強化が可能

ポイント3

それぞれのアプリの認証要件に応じて、複数の認証方法を組み合わせて利用できる

IceWallの導入事例

株式会社JPX総研

JPX総研は、50,000ユーザーが利用する金融情報サービスの認証基盤を全面リニューアル。統合認証基盤の堅牢性が強化するためにHPE IceWall SSO 11.0を採用。これにより、11の異なる情報サービスをシームレスに利用できるようになり、クラウドサービスへの拡張も可能としました。新しい認証基盤は、将来の多要素認証やAPI連携への対応も備えており、これから先の新規事業を支える基盤が整備することができています。

JFEスチール

社内外6万ユーザーの統合認証をIceWall SSO/Federationで刷新。オンプレとパブリッククラウドを横断するSAML SSOにより開発工数を大幅削減し、全社IT改革を支える高信頼基盤を実現。

明治大学

全学約4万人を対象にIceWall SSOで学内とクラウドをシームレス連携。ID乱立を解消し、運用負荷と利用者のログイン回数を大幅に削減した統合認証環境を構築。

IceWallの主な機能

Webシングルサインオン

複数Webサーバの認証を一度で統合。改修なしで導入でき、Office 365やSalesforceとも連携。ID管理の煩雑さを解消し、大規模・モバイル環境でも高性能に動作。

認可/アクセス制御

URL単位の許可・拒否とSource IP制限で細粒度制御。ポリシー変更は即反映でき、不正アクセスを抑止。属性統合機能で複数DBの権限も束ね、管理も簡単。

多要素認証(IceWall MFA)

ワンタイムパスワード、メール/SMSコード、FIDO2生体などをアプリ改修なしで追加。リスクベース認証やパスワードレス運用によりUXとセキュリティを両立。

逆プロキシ&情報継承

リバースプロキシがURLをマスクし外部へ構成を隠蔽。フォーム自動認証とヘッダ継承で旧来アプリもSSO化し、安全に統合。フェールオーバ対応で高可用性を確保。

詳細ログ&セキュリティ監査

CRMログやソースIPを細かく収集し可視化。XSS四重フィルタやURL長制限、SSL暗号化で多層防御。豊富な証跡で監査・法規制対応を簡素化しガバナンスを強化。

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TrustBind

後々拡張していきたい企業向け
TrustBind_HPキャプチャ

引用元:NTTテクノクロス
https://www.ntt-tx.co.jp/products/trustbind/

TrustBindの特徴

TrustBind/MFAは、セキュリティと利便性の両立を可能にする、多要素認証プラットフォーム。パスワードに依存しない認証技術の組み合わせによりセキュリティを高めることができます。

TrustBind/MFAでは、例えばクラウドサービスを利用する場合にも社内からのアクセスには簡単な認証方式を、社内からのアクセスには多要素認証を採用するなど、利便性を保ちつつもセキュリティを高めるといった対応が可能。要件に合わせた柔軟なシステム構成を実現します。ユーザー単位の契約なら(330円税込/ユーザ)

おすすめポイント
ポイント1

社外からのアクセスにのみ多要素認証を使うなど、利用環境により認証強度を使い分けられる

ポイント2

認証要素追加のためのAPIインターフェイスを用意することにより任意の認証方式との連携が可能

ポイント3

問い合わせ窓口・サポート対応もNTTテクノクロス1社で完結するため、問い合わせ時の対応がスムーズ

TrustBindの導入事例

国立大学法人大阪大学

各部署で異なる認証システムの利用が課題であった大阪大学は、これを解決するため、NTTテクノクロスの「TrustBind/Federation Manager」を導入し、全学的なシングルサインオン環境を実現。これにより、教育・研究活動のためのシステムアクセスが一元化され、効率化されました。特に、異なる認証基盤を統合し、内部外部のリソースへのアクセスを容易にすることに成功しています。

テクニウム株式会社

工作機械ポータル「my DMG MORI」と外部サービス連携のSSO基盤に採用。SSO部分だけを外付けできる構成で短期導入とCPUライセンスによるコスト安定を実現。

国立大学法人大阪大学

TrustBindの主な機能

シングルサインオン(SSO)

 SAML2.0/OpenID Connect/代理認証に対応し、クラウドとオンプレを一度のログインで横断。既存システムを改修せず短期導入でき、ID使い回しや多重ログインの手間を解消します。

多要素認証&リスクベース認証

ワンタイムパスワード、FIDO パスキー、クライアント証明書、位置・時間によるステップアップ認証をGUI設定で組み合わせ可能。社外アクセスのみ強化するなど柔軟なポリシーで安全性を高めます。

認証ログ可視化

「誰が・いつ・どのサービスへ」を長期保管し、クラウド側で期限切れになるログを補完。内部統制や監査レポート作成を効率化し、不審操作を早期に把握できます。

OAuth2.0/FAPI準拠のAPI認可

安全なサービス間連携を実現するOAuth2.0に加え、金融グレードのFAPIも標準サポート。ユーザー情報を渡さずに権限委譲でき、FinTechや外部パートナー連携のセキュリティ要件に対応します。

IDプロビジョニング&マルチテナント管理

ユーザーの追加・変更・廃止情報をSaaSや社内システムへ自動連携。テナント単位の分割管理にも対応し、グループ企業・パートナーとの共同利用を安全に運用できます。

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多要素認証(二段階認証・二要素認証)とは

多要素認証の解説画像

多要素認証とは、アカウントにシステム内の機能や情報を利用させる際に、利用者が本人であるかどうかを確かめる認証プロセスにおける認証方式を指します。一般的な認証方式であるID /パスワードの入力に加えて、ワンタイムパスワード認証、ICカード認証、生体認証などを組み合わせて認証強度を向上させることを多要素認証と呼びます。

二要素認証は、2つの要素(例えば、記憶しているパスワードとワンタイムパスワードの2つの要素)を使って認証する方式です。

二段階認証は、認証を2回のプロセスに分ける方法です。例えば、最初にID/パスワードでの認証を行い、その認証が成功した後に、ワンタイムパスワードの認証を行うことで、多要素認証(二要素認証)を実現します。

知識要素

多要素認証について知る上で押さえておきたい知識として「認証の三要素」と呼ばれるものがあります。3つの要素のうちひとつが「知識要素」です。これは、システムの利用時にユーザーの頭の中にのみある情報を入力させて認証を行う仕組みです。パスワードや暗証番号、合言葉、秘密の質問などが該当しますが、Android製のスマートフォンで採用されている「パターン認証」も知識要素のひとつです。

この知識要素を用いた認証は、「ユーザーの頭の中にある情報は他人に知られることはない」という前提の上で成り立っていますが、あまりにも単純な組み合わせの文字列だったり、パスワードをメモに残すなど誰もが閲覧可能な状況にあったりする場合には、認証強度が下がります。このような面から、パスワードを採用した知識要素のみの認証では安全とは言い切れません。

所有要素

「認証の三要素」のうち二つ目が、「所有要素」です。これは、ユーザーだけが所有するものを用いて認証を行う仕組みで、「ユーザーのみが所有しており、他の人には共有しない」という前提の上で成り立っています。所有認証の例としては、身分証明書、社員証、ICカードなどを使用した認証が挙げられます。また、ハードウェアトークンを使用したワンタイムパスワードや、スマートフォンにSMSなどでパスコードを送信する方法もこの所有要素に当てはまります。

生体要素

「認証の三要素」のうち三つ目が「生体要素」と呼ばれる方法です。指紋や静脈、虹彩、顔などユーザー固有の身体的特徴を用いる形で認証を行う方法です。身体的な特徴を読み取れる機器があれば、ユーザー側にとっても負担が少なく済み、安全性も高いといわれています。

かつては読み取りを行う機器が高価であったことや、身体的特徴というプライベート性の高い種類の情報を提供する点に拒否反応を示していたユーザーがいたなどの状況がありましたが、近年ではPCやスマートフォンに顔認証や指紋認証を行う機器が標準で搭載されてきたこともあり、急速に普及が進んでいる方法といえます。

多要素認証の3要素
について

二段階認証と二要素認証の違い

二段階認証の仕組み

2つの段階を用いて認証を行うことを「二段階認証」と呼びます。パスワードに加えて秘密の質問を使用するなど、異なる要素を用いて認証を行うケースもありますが、同じ要素である2つの情報を用いて二段階認証を行う場合もあります。この方法では、複数の段階による認証を行うことでユーザーの手間は増える反面、認証を破られる確率を低くすることができます。

二要素認証の仕組み

「二要素認証」は、上記でご紹介している「認証の三要素」のうち異なる2つの要素を組み合わせて行う認証を指します。例えば知識要素であるパスワードに、所有要素または生体要素を組み合わせる形で認証を行うことをいいます。二要素認証の場合、「知っている」という要素に加えて、「持っている」「身体的特徴」の提示を求められるため、より個人の識別を厳密に行える面があります。

二要素認証の例としては、Webサイトへのログインの際にパスワードによる認証(知識要素)を行った後に、ユーザー自身が持つスマートフォンにワンタイムコードが送信され、そのコードを入力することで認証(所有要素)が行われる、という方法が多く利用されています。この場合、知識要素と所有要素の2種類の要素を用いていることから、二要素認証といえます。

以上のように、二要素認証では2種類の異なる要素を用いて認証を行うため、二段階の認証ということになります。この点から、2種類の要素を使った認証は二要素認証であるとともに、2段階認証であるともいえます。

多要素認証(二段階認証・二要素認証)の選び方

提供形態

クラウド型は初期費用も低コストで迅速な導入が可能なメリットがあります。一方オンプレミス型はカスタマイズ性が高く、ランニングコストを抑えられ、社内のオンプレミス型のシステム連携も柔軟に対応できます。それぞれ企業のニーズやシステム利用期間(例えば、5年間)でのトータルコストを考慮して、提供形態を検討しましょう。

目的に合った認証方法への対応

多要素認証には、ワンタイムパスワード認証、二経路認証、生体認証、パスキー(FIDO)認証など様々な種類の認証方法があります。自社のセキュリティ要件やユーザビリティに合う認証方法を提供するシステムを選びましょう。

対象システムの範囲

多要素認証を実現できるシステム範囲は、製品・サービスによって異なります。製品・サービスによってどのようなシステムと連携が可能かを確認し、自社のニーズを満たせる製品・サービスを選びましょう。

既存システムとの連携

既存システムとの連携性は、多要素認証システムを導入するにあたって重要な要素になります。製品・サービスによって連携方法は異なりますし、既存システム側の改修が必要となる場合もあります。既存システムとの互換性、改修要否、運用の手間などを考慮して選びましょう。

利便性とセキュリティのバランス

多要素認証でのセキュリティ強化は重要ですが、同時にユーザビリティを損なわないように注意が必要です。シングルサインオンや統合ID管理の機能が利用できる製品を選ぶことで、相補的にユーザーの利便性を向上させることができます。

将来の拡張性

パスワードレス認証の国際標準であるパスキー(FIDO)への対応など認証方法の拡張性と互換性を見極めて、ビジネス成長に伴うシステム変更や処理性能の向上などにも柔軟に対応できる製品・サービスを選びましょう。

サポート体制

多要素認証システムを円滑に運用していくには、ベンダーの適切なサポートが欠かせません。不明点やトラブル対応をしっかり確認できる問合せ先があるかどうかも重要なポイントです。特に海外のサービスを利用するときは、日本語でのサポート対応が可能かどうかを確認しましょう。

対応デバイス

多要素認証は、デバイスの種類によって異なる方法で動作する場合があります。例えば、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスでは、画面サイズが小さいため、認証プロセスが複雑になることがあります。そのため、デバイスの種類に応じて、適切な認証方法を選択する必要があります。

法規制への適合

GDPR、HIPAA、CCPAなど、地域や業界によって異なる法規制が存在します。これらの法規制に適合する必要があるかを検討し、適合する必要がある場合には、ユーザーの同意やデータの取り扱いに関する要件にも留意する必要があります。

多要素認証システムの選び方の第一関門
オンプレミス型vsクラウドサービス型自社に合うのは?

自社に合った多要素認証システムを選ぶ第一段階として、まず「オンプレミス型」「クラウドサービス型」のどちらがふさわしいかを考えてから個別のシステムを検討する方法をおすすめします。
企業ごとに必要なシステムは異なっており、自社のセキュリティポリシーや規模、方針を把握することではじめて最適な製品やサービスを検討することが可能になります。

オンプレミス型の多要素認証システムとは

製品型の多要素認証システムはオンプレミスやクラウドにサーバー環境を用意し、自社専用の多要素認証システムを構築します。導入する際は初期費用が発生し、製品等の保守費用も必要です。

クラウドサービス型の多要素認証システムとは

サービス事業者が提供するクラウド上に構成された多要素認証システムを利用します。サーバー環境を用意する必要はありませんが、統合できるのはサービスを利用するアカウントのみで、毎月の利用料など定期的な支払いが必要です。

統合認証システム選びでクラウドよりもオンプレミスを選ぶべき企業は?漫画で解説

多要素認証システムは、統合認証システムの構成要素のひとつです。

統合ID管理システムがユーザーのID情報・認証情報を管理し、シングルサインオンや多要素認証システムがその情報を利用して認証とアクセス制御を行います。

ここでは、多要素認証システムを含む「統合認証システム」に焦点をあてて、オンプレミス型をえらぶべき企業の姿に迫ります!

統合認証システムでオンプレミスが選ばれる理由

近年、クラウド型統合認証サービス(IDaaS)を導入する企業が増えていますが、データセキュリティやプライバシーへの懸念、既存システムとの互換性の問題などから、すべての企業がIDaaSを選んでいるわけではありません。特に、大手企業や金融機関、公共機関などでは、セキュリティやコストの観点からオンプレミス型統合認証システムが最適と考えて採用しています。

オンプレミス型統合認証システムを選ぶ場合でも、必ずしも社内にサーバを設置する必要はありません。クラウドサービス(IaaS)上に独自の統合認証システムを構築することも可能です。

いずれにせよ、自社に合った統合認証システムをしっかり選択することが重要です。そこで、オンプレミス型統合認証システムが選ばれる”4つの理由”を解説します。

オンプレのメリット1:既存システムとの連携

既存のオンプレミスも含めて統合可能

オンプレミス型統合認証システムは、既存のオンプレシステムと緊密に連携できるため、一元管理がしやすくなります。IDaaSではオンプレとの連携が難しい、あるいは制限がある場合がありますが、オンプレミス型ならネットワーク遅延やセキュリティリスクを最小限に抑えながら統合管理が可能です。

特に、既存のオンプレシステムを統合したい企業には適しています。また、オンプレミスだけでなく、クラウドサービス(SaaS)も統合管理できるのもメリットの一つです。

既存システムと連携できる
オンプレミス型製品おすすめ3選

オンプレのメリット2:カスタマイズ性の高さ

自由度が高いので自社のニーズに合った統合認証基盤を構築

オンプレミス型統合認証システムは、IDaaSに比べてカスタマイズの自由度が高く、自社の運用や特定のニーズに応じた基盤を構築できます。IDaaSでは標準化された機能に制約される場合がありますが、オンプレミス型なら独自の要件やセキュリティポリシーに合わせた柔軟な設計や設定が可能です。これにより、業務効率の向上やセキュリティ強化が図れ、自社に最適な統合認証基盤を作ることができます。

また、オンプレミス型統合認証システムを選ぶ理由として、「データの保護が重要」「最新技術の追従・採用に優れている」といった意見があります。セキュリティ性と最新技術の取り入れやすさの理由から、一度はIDaaSに移行した企業でも、オンプレミス型に戻るケースが見られます。

カスタマイズ性の高い
オンプレミス型製品おすすめ3選

オンプレのメリット3:長期を見据えたコストの最適化

オンプレミスのコストの観点のメリット

IDaaSは、1ユーザ当たりの利用料金(月額・年額)によるサブスクリプションプランが一般的です。そのため、ユーザ数が増えると、ランニングコストが大幅に跳ね上がることがあります。また、オンプレシステムとの統合や追加機能の利用により、初期費用も含めたトータルコストが高額になる場合があり、数年間で見た場合にはオンプレミス型統合認証システムよりも高くなる傾向があります。

統合認証システムは企業の重要な基盤であり、簡単にリプレースすることはできないため、初期費用だけでなく、中長期のトータルコストを考慮して選ぶことが大切です。特に、ユーザ規模が大きい場合は、トータルコストを抑えやすいオンプレミス型統合認証システムが有効な選択肢となります。

さらに、企業が成長しユーザ数が増加した場合の追加コストも重要なポイントです。ユーザ数無制限のライセンスプランを提供するオンプレミス型統合認証システムを選ぶことで、将来的なコスト削減につながるでしょう。

コストを最適化できる
オンプレミス型製品おすすめ3選

オンプレのメリット4:機密情報でも安心のセキュリティ

オンプレミスのセキュリティ的メリット

自社内でデジタル資産を管理することで、セキュリティとガバナンスの両面を強化できる点も、オンプレミス型統合認証システムを選ぶ大きな理由の一つです。IDaaSにおいてもセキュリティに大きな差がない場合はありますが、デジタル資産を自社管理下に置く方が適切と考える企業が多いのも事実です。特に、オンプレミスのノウハウや体制が整っている企業では、セキュリティの要となる認証情報やID情報を自社で管理する方がベターだと判断することがよくあります。

また、クラウドサービスの運用スキルが不足している場合、セキュリティやガバナンスを十分に確保した運用が難しいため、オンプレミス型統合認証システムを選択するケースも少なくありません。

セキュリティ・ガバナンス強化に
最適
オンプレミス型製品おすすめ3選

まとめ

自社のデータ管理において、セキュリティやパフォーマンスに対する要求が高い場合や、中・長期的なコスト効率を重視する場合、オンプレミス型統合認証システムが最適な選択となるケースも多いでしょう。IDaaSは手軽さや初期費用の低さが魅力ですが、重要なのは自社にとって最も優先すべき要素を見極め、最適なソリューションを選ぶことです。IDaaSの利用が進む一方で、オンプレミス型統合認証システムは依然として最適な選択肢の1つとして存在し続けています。

製品vsサービス(IDaaS)
統合認証システム比較

多要素認証製品一覧(製品)

多要素認証の基礎知識

多要素認証が求められる背景

サイバー攻撃・不正アクセスが増加した

サイバー攻撃や不正アクセスが増加していることが、多要素認証が必要となっている背景のひとつといえます。特に不正アクセスについては国内での認知件数も増加傾向が見られると言われており、対策が必要な状況です。

例えば、同一のパスワードを使い回している、電話番号の下4桁、誕生日など推測されやすい番号を暗証番号として使用している場合などには、被害を受ける可能性があります。また、「総当たり攻撃」と呼ばれる方法によってパスワードを盗み出す方法もあることから、知識情報のみでの対策は限界があります。このような状況から、多要素認証が重要であるといわれています。

クラウドサービスが普及した

近年、クラウドサービスを利用する企業も増えています。特にリモートワークを取り入れている場合など、社外にいたとしても会社の情報にアクセスできるようになるため非常に便利なサービスです。しかし、会社で取り扱っている情報は機密情報も含まれます。このような情報を社外のクラウドサーバーに保存することから、セキュリティ対策が非常に重要になってきます。そのため、多要素認証を使用してしっかりと対策しておく必要があります。

多要素認証を導入するメリット・デメリット

多要素認証を導入することにより期待できるのが、セキュリティの強化やパスワード管理の負担軽減といったメリットです。ただし、導入・運用にコストがかかること、場合によっては効率性が悪くなるといったデメリットもあるので確認しておきましょう。

多要素認証を導入するメリット・デメリット
について

多要素認証を導入するメリット

セキュリティの強化につながる

多要素認証を導入すると、セキュリティ強度を高められます。もちろん、どの要素を組み合わせるかによって強度が変わってきますが、これまでログインIDとパスワードのみでは防ぎきれないサイバー攻撃・不正アクセスを防げる可能性があります。また、クラウドサービスを導入している企業の場合には、多要素認証を用いて自社の情報を守ることが大切です。

パスワード管理の負担が減る

パスワードを管理する際の負担を減らせる点も、多要素認証の導入により得られるメリットです。パスワードを用いる場合、「記憶しておく」「定期的な変更」の2点が必要になってきます。パスワードを変更するたびに覚え直しが発生することから、忘れてしまうことを防ぐために推測しやすいパスワードを設定してしまうケースや、同じパスワードの使い回しをしているケースも少なくないといえます。例えば「0123」のような単純なパスワードを使い回しており、万が一漏洩してしまった場合には、複数のサービスにおいて被害が発生する可能性も考えられます。

以上の点から、例えば社内システムへのアクセスにはIDカードと顔認証の組み合わせを使用するといったように、所持情報と生体情報の組み合わせを使用することによって、パスワード管理の負担を減らしつつセキュリティの強度を高めることにつなげられます。

多要素認証を導入するデメリット

導入・運用にコストがかかる

どのような要素を使用するかという組み合わせにもよりますが、多要素認証の導入にあたってはコストの面がデメリットとなる可能性があります。使用する認証要素によっては、導入する際に新しい機器の購入や、大規模なシステム構築が必要になる場合もあります。もちろん、導入後の運用にもコストが発生します。

実際に多要素認証を導入しようとする際には、自社ではどの程度の強度のセキュリティが必要なのか、そして多要素認証の導入にはどの程度の予算を割けるのかなどの点を考慮し、使用する要素の組み合わせをしっかりと検討することが大切です。

効率性が悪くなることがある

場合によっては、多要素認証を導入することで効率が悪くなるケースもあります。多要素認証はその名の通り複数の要素を利用して認証を行うため、使用する要素の数だけ認証に時間を要することになります。都度サーバーと認証情報のやり取りが発生するようなシステムを導入した場合、時間がかかってしまうことについてストレスを感じるケースもあるかもしれません。以上の点から、導入した後の効率性についても考慮しながら、どのような要素を使用して多要素認証を導入するかを考えることもポイントになってきます。

多要素認証を導入する時の注意点

認証情報は使いまわしをしない

認証情報はしっかりと保管すること、そして使い回しをしない、という点には注意しなければなりません。せっかく多要素認証を導入したとしても、例えば多要素認証に用いるセキュリティキーを他の人に教える、パスワードを紙に書いてパソコンに貼っておくといった行動をしてしまうと、セキュリティの強度が下がり、不正ログインなどの被害を受ける可能性が高まってしまいます。認証情報をしっかりと保管しておくことも、多要素認証のセキュリティの高さを維持するための大切なポイントです。

ログイン状態を維持しない

面倒でもログイン状態を長時間維持しないことも大切です。多要素認証は、認証に数ステップ必要になるため、PCなどに一度ログインした後、ついログイン状態のまま離席してしまう場合があります。しかし、ログイン状態で放置してしまった場合、第三者がデバイスを使用してネットワークへの侵入が容易にできるようになってしまいます。

特に、外でログイン状態のPCなどを放置するのは非常に危険であるといえますので、注意してください。たとえ面倒だったとしても、離席時にはこまめにログイン状態を解除して、再度作業を行う際にログインする習慣をつけることが重要です。また、一定時間デバイスに動きがない場合には自動ログアウトする設定を用いる方法もあります。

多情報セキュリティ対策を怠らない

さらに、多要素認証以外のセキュリティ対策もしっかりと行っておくことも重要です。サイバー攻撃にはさまざまなものがあります。確かに多要素認証は不正ログインを防ぐ意味では有効な方法ですが、その他の攻撃を防ぐためにも、OSを常に最新のものにアップデートするウイルス対策ソフトを導入するといったように、さまざまなセキュリティ対策を行っておくように心がけてください。

多要素認証の3要素

多要素認証では、要素といえるものが3つあります。ID・パスワードのように本人だけが知っている情報である知識情報、本人だけが物理的に保有しているスマホやキャッシュカードなどの所持情報、本人の身体的な特徴を用いた生体情報です。

多要素認証の3要素
について

多要素認証の活用場面

多要素認証はさまざまな場面で活用されています。たとえば、オンラインバンク、公共のオンラインシステム、クラウドサービス全般、社内システムなどです。高いセキュリティが必要な場面で有効な技術です。

多要素認証の活用場面
について

生成AIアプリの多要素認証

生成AIアプリにおいては機密情報を含む会話が保存されているケースが多いため、多要素認証の導入が必要とされています。また、セキュリティ上のリスクを把握せず、会社に無断で使用している従業員も少なくありません。これらの課題を踏まえ、多要素認証の導入など具体的な対策を検討することが重要です。

生成AIアプリの多要素認証
について

マイナンバー利用事務系システムの多要素認証

個人が特定できる情報を取り扱うマイナンバー利用事務系システムに対しては、情報漏洩リスクの軽減や法令遵守のために、多要素認証による高いセキュリティ対策を施さなくてはなりません。マイナンバー利用事務系システムに活用できる多要素認証の事例を確認して、導入方法を検討しましょう。

マイナンバー利用事務系システムの多要素認証
について

医療情報システムの多要素認証(二要素認証)

医療情報システムには患者の個人情報が含まれるため、適切なセキュリティ対策が求められます。医療情報システムの安全管理に関するガイドラインにおいても二要素認証の採用が推奨されているほどです。

医療情報システムの多要素認証(二要素認証)
について

多要素認証疲労攻撃

多要素認証疲労攻撃は、ID・パスワードを不正入手した攻撃者が標的の2段階認証に攻撃を仕掛ける手法です。プッシュ通知による繰り返しの攻撃によって、2段階認証が突破されるリスクがあるため、攻撃手法の周知と通知の無効化、認証方法の変更といった方法で対処しましょう。

多要素認証疲労攻撃
について

位置情報を活用した多要素認証

多要素認証においては、ユーザーのアクセス位置を取得する仕組みが用いられることがあります。あらかじめ登録した位置情報とユーザーの位置情報が一致すれば認証される仕組みです。指紋認証などの方法と組み合わせることで精度を高めます。

位置情報を活用した多要素認証
について

金融機関の多要素認証

金融機関において、多要素認証(MFA)の導入は、サイバー攻撃から顧客情報や資産を守るための重要な要件の一つです。サイバー攻撃から資産を守る対策には、リスクベースド認証や生体認証など、さまざまな方法があります。利用者や取引のリスクに応じて適切なセキュリティレベルを維持するためにも、多要素認証の活用を積極的に進めることが重要です。

金融機関の多要素認証
について

教育機関の多要素認証

近年、教育機関における情報セキュリティの重要性が高まり、多要素認証(MFA)の導入が急務とされています。特に大学や研究機関では、クラウドサービスの活用が進む一方で、不正アクセスや情報漏えいのリスクも増加しています。文部科学省のガイドラインを踏まえ、適切なソリューションの導入検討が求められています。

教育機関の多要素認証
について

スマートシティの多要素認証

ICTを活用したスマートシティでは、IoTやクラウドの活用に伴い、多要素認証によるセキュリティ強化が望まれます。従来のパスワード認証だけではセキュリティが十分とはいえません。なりすましや不正アクセスなどから守るために、多要素認証の導入が推奨されています。

スマートシティの多要素認証
について

放送業界の多要素認証

放送業界では、放送設備のIP化への対応や視聴者情報の保護などのために、多要素認証の導入が急務となっています。特に、クラウド型編集システムや配信プラットフォームの活用が進む中では、シングルサインオン(SSO)と多要素認証(MFA)を組み合わせ、利便性とセキュリティの両立を図る取り組みが重要です。

放送業界の多要素認証
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SMS認証とは?

ショートメッセージを用いて本人確認を行う認証システムです。携帯電話番号を活用するため、不正利用を防ぎやすくなります。手軽に導入、利用できる点も魅力です。ただし、ユーザーの環境によってはSMSを届けられません。代替手段が必要になることもあります。

SMS認証
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セキュリティキーとは

セキュリティキーは、多要素認証に利用されるUSBやNFCなどの物理的なデバイスで、パスワード情報を守るための有効な手段です。導入によりセキュリティを強化できる一方で、紛失や破損といったリスクも伴います。利用するサービスとの互換性やコスト面を確認し、運用体制に合った方法を選択することが重要です。

セキュリティキーとは
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まとめ

現在は、サイバー攻撃・不正アクセスが増加している状況であるとともに、多くの企業がクラウドサービスを活用しているため、多要素認証が必要であるといえます。多要素認証を導入することによって、セキュリティを強化できるとともに、ログインパスワードの管理の手間が省けるなど、さまざまなメリットが考えられます。

ただし、コスト面などの問題もあることから、大切なのは自社で求められるセキュリティ強度に合わせた多要素認証を導入することであるといえます。ぜひさまざまな認証方法について知った上で、自社に合った多要素認証システムを選ぶようにしてください。

アカウントと生産性を守る
Withコロナ時代の
情報セキュリティ必須概念

   

クラウドサービスの普及やワークスタイルの変化によって、これからの情報セキュリティはシステマチックな運用が求められます。
 アカウントのセキュリティを高めながら、運用者と利用者双方の利便性を高めるためには「統合認証基盤(統合認証システム)」の概念を理解しておかなければなりません。

   

基礎概念と製品比較で知る
統合認証システムとは?

統合ID管理システムおすすめ製品・サービス SSO(シングルサインオン)おすすめ製品・サービス 多要素認証(二段階認証・二要素認証)おすすめ製品・サービス