公開日： ｜更新日：
セキュリティを強化したいと考えた際に活用されるのが多要素認証です。主な活用場面やその必要性について解説します。
オンラインバンクの普及により、金融取引のために銀行やATMへ足を運ぶ必要が減りました。一方で、サイバーセキュリティに関する課題も顕在化しています。従来はIDとパスワードのみで管理されていましたが、近年では多要素認証を導入することでセキュリティを強化する事例が増えています。多要素認証は、オンラインバンクにおけるセキュリティを大幅に向上させる重要な手段です。複数の認証要素を組み合わせることで、不正アクセスのリスクを低減し、ユーザーの資産を安全に保護します。
公共のオンラインシステムでも多要素認証が導入されています。例えば、住民基本台帳ネットワークシステムでは、ログイン時にパスワード認証と生体認証を組み合わせたセキュリティ対策を採用しています。また、税金申告のためのオンラインサービス「e-Tax」では、ワンタイムパスワードや電子証明書を利用して安全性を確保しています。
このように、多要素認証は公共サービスの利便性とセキュリティの両立を実現しています。
クラウドシステムはパソコン内にデータを保存するよりも安全性が高いとされていますが、データ削除や悪用のリスクが完全に排除されるわけではありません。ID・パスワードに加え、USBトークンやスマートフォンのプッシュ通知、カメラを使用した顔認証などが活用され、セキュリティが向上しています。
社内システムには機密情報が含まれており、外部からのアクセスを制限する必要がある場合もあります。特にセキュリティ面で不安が残るのが、個人のスマートフォンやパソコン、タブレットなどから社内のネットワークにログインする場合です。
多要素認証を導入することで、成り済ましや不正アクセスのリスクを低減できます。
セキュリティを強化したいと考える場合、多要素認証は有効です。知識情報や所持情報、生体情報など、複数の認証要素を組み合わせることで、単一の認証と比較して安全性が向上します。
また、すべての認証を突破することが難しくなるため、攻撃の対象になりにくくなります。
重要な情報を取り扱う企業に対し、多要素認証を求めるコンプライアンスが国や業界で定められている場合があります。これらのコンプライアンスに対応するため、多要素認証の導入が求められる場合もあります。
従来の認証方法ではコストが発生する場合があります。例えば、パスワードの失念や書き換えについてサポートデスクに問い合わせるとサポート費用が発生しますが、パスワードを使用しない顔認証などのシステムを導入すれば、認証に関わるコストの削減が期待できます。
以下のページでは、多要素認証のメリットやデメリットについて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
多要素認証システムが気になっているものの、自社で導入すべきか悩んでいる場合もあるでしょう。今回は、どのような場面で活用されているのかを解説しました。従来のIDとパスワード、あるいは秘密の質問を組み合わせるだけでは、十分なセキュリティとはいえません。 現在よりもセキュリティを強化したい場合は、多要素認証の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
以下のページでは、多要素認証の基本や選び方のポイントについても詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
アカウントと生産性を守る
Withコロナ時代の
情報セキュリティ必須概念
クラウドサービスの普及やワークスタイルの変化によって、これからの情報セキュリティはシステマチックな運用が求められます。
アカウントのセキュリティを高めながら、運用者と利用者双方の利便性を高めるためには「統合認証基盤(統合認証システム)」の概念を理解しておかなければなりません。
